津嘉山の技

食品工場のステンレス加工技術

板厚 1.0m/m・t からのタンクを製作
 当社は 1.0m/m・t の薄板によるタンクを製作する事が出来ます。 これにより軽量化とコストの圧縮ができるので、県外に出荷する場合輸送費を考慮しても県外企業と対等に勝負する事が出来ます。

 薄板での溶接は厚みのある板の溶接よりも難しく、仮溶接(本溶接前の組み立ての際に仮に固定するための溶接)や電流調整等の微妙な違いによりひずみや溶接不良等が発生しやすい為、熟練した溶接技術と長年の経験が重要になります。  
当社はこの薄板の溶接を 30 年以上続けてきました。また従業員の多くは10年以上の経験を持つ熟練者ですので、薄板の溶接技術に関しては自信を持っています。
TIG(アルゴン溶接)溶接を得意としています。
 溶接には様々な種類があり、当社でもMIG溶接、スポット溶接、電気溶接等を行っていますが、最も多く採用しているのがTIG溶接です。

 TIG 溶接とは、溶接部と空気との間にアルゴンガス(不活性ガス)でシールドを作り、タングステン棒からアークを発生させ母材を溶かし溶加棒というステンレスの棒を加えて溶接していく方法で、溶接後の強度が高く溶接部の仕上がりも奇麗なのでステンレス溶接のほとんどはこのTIG溶接を使って行います。

 当社では、(社)日本溶接協会が実施しているアルゴン溶接の免許を多数の従業員が保有していることはもちろん、長年の経験と実績から他社に負けない技術を有しています。  
材料はすべて信頼できるものを使用します。(国内大手メーカー指定)
 当社で使用する材料すべて国内のメーカーを指定して仕入れています。  海外の製品でも安価で高いスペックのある材料を提供するメーカーもありますが、一部200系ステンレスの混入した製品が出回ったこともあり当社では使用しておりません。 また、材料の証明書であるミルシートも国内製品であればすぐに入手できるので、公共工事など材料のスペックを証明する必要がある商品でも対応が可能です。  「良い材料を使って、良い商品を作る」ことは製造業の基本だと考え今後もこの姿勢を貫いていきます。  

ステンレス一筋!津嘉山のプライド

沖縄発展の節々に、津嘉山ステンレスの技術が貢献
津嘉山ステンレスの歴史は、沖縄の歴史にリンクするように発展してきた。
津嘉山--------
 沖縄は、昔から水不足に悩まされてきた地域でした。それが本土復帰し、海洋博がはじまる頃には、個人の家でも、水タンクを設置して渇水対策をするようになった。グラスファイバー製のものはあったが、耐久性に問題がありました。 当時うちでは、主に飲食店用のステンレス用品を作っていました。水タンク需要があるぞ、じゃあ作ってみようということで、作ってみた。これが大ヒットになりました。 ステンレスタンクは、衛生面と耐久性にすぐれ、軽く、見た目にもかっこよかったんでしょうね  
そのタンクを量産するための機械も、社長自らが考案。他社には出来ない量と品質を実現し、一躍沖縄県内最大のステンレス企業となった。この水タンクは、大きく姿を変えることなく、今もコンスタントに売れている、技術力の高さの証明だ。次の山場は、意外なところから生まれた。

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泡盛が売れるようになってきて、これまでの生産方法では需要に追いつかないということで、うちに相談があったんですよ。水タンクの実績が買われたんでしょう。しかし、家庭用と工業用では規模も性能も違います。いろいろ苦労もありましたよ。でもね、これも成功して、泡盛の大量生産が可能になった。すると、県内・県外のいろんな酒造所から引き合いがあって、いまでは、ほとんどすべての泡盛メーカーが、うちのタンクを使っています。

さまざまな課題に成功し、ステンレス製品としては例外的なヒット作を生んできた。それを引っ張ってきたのは、津嘉山社長本人だ。。
オリジナルの技術で、全国のタンクを作りたい
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 技術はほとんど独学です。教える人はいませんから、自分なりにいろんな工夫をしてきました。本土の企業に見学に行くこともあります。もちろん大事ななところは見せてくれませんから、肝心な部分は自分で考えなきゃ行けない。その中で、いろんな発明や工夫が出来てきました。そんな風に積み上げてきた技術の上に、うちでなければ出来ない製品があるんですよ。
ここが他社との一番の違い』と津嘉山社長は胸を張る。実際いまの津嘉山ステンレスを支える製品機器の多くを、津嘉山社長本人が開発。作業効率を高め、他社には出来ない技術力の基礎となっている。 既に、沖縄市場を席巻し、ステンレス製品での大きなシェアを誇る企業になった。

しかし、それに満足したわけではない。

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うちの技術は全国でも指折りのものと自負しています。全国的に見れば大きな企業ではないかもしれませんが、うちくらいの規模でなければ実現できない技術やコストのニーズは、たくさんあるんです。これまでの経緯から特に、食品関連のステンレスタンクには、自信を持っています。ニーズさえ聞けば、どんなタンクでも作りますよ。他社では出来ない難しいもの、特殊なものには、特に、うちの技術は向いていると思います。

技術を語るとき、津嘉山社長の目は輝く。その目の奥には自信と喜びがある。 より大きな困難を嬉々として乗り越える。津嘉山ステンレスはそんな会社だ。
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